【機械ではなくヒトが主役の工場】~日本一の剣道具製作所~
宮崎大学2年の藤安です!
現在、株式会社MUSASHIでインターンシップを行っています。
その活動の中で、株式会社日本剣道具製作所についてインタビュー・工場見学を行いました。
実は私は小学3年生のころから剣道を6年間習っていました。
当時は、面や胴、小手などの剣道防具がどのように作られているのか深く考えたことはなく、当たり前に使っていました。
今回、インタビューや工場見学を通して、自分がこれまで使っていた防具が多くの人の手と判断を重ねて作られていたことが分かり、剣道をやってきたからこそ感じられる面白さや発見がたくさんありました。
このコラムでは、そんな自分が日本剣道具製作所について、インターン生として、剣道経験者としての視点から紹介していきたいと思います!
~株式会社日本剣道具製作所って知ってる?~
皆さんは、株式会社日本剣道具製作所って知っていますか?
私は今回のインターンシップをきっかけに初めて知りました。
調べてみると、日本製の剣道防具の生産量は全国トップ。さらに顧客満足度も全国トップクラスを誇る、驚くべき製作所だったのです!
全国の剣道愛好家にオーダーメイドの防具を届け続けている会社――。
そんな会社が、ここ宮崎県西都市にありました。
~多くの人が持つ工場のイメージ~
「工場」と聞くと、いったいどんなイメージがありますか?
・機械が並んでいる
・黙々と作業が進められている
・従業員同士の会話は最低限
・人よりも機械が目立つ空間
・鳴り続ける機械の音
私は「工場」に対して、こんな無機質なイメージを持っていました。インタビューに行くまでは、「ここも同じような工場なのだろうか」と、少し身構えていました。
~ヒトが主役の現場~
しかし、実際に工場を見学させていただいて、その印象はガラッと変わりました。
工場に入ると、年代物の工業用ミシンが並び、エプロン姿の女性が真剣な目つきで作業していました。工場内は明るく開放的で、職人の手元にはそれぞれ照明も。職人同士で相談しながら作業する様子も見られました。
一人ひとりの顔や作業の様子が一望できるよう、工場内は材料などが整理して配置されているのも印象的でした。
工場内の作業は、裁断・縫製・組立・仕上げといった工程ごとに分かれています。一見すると分業制の「工場」に見えるかもしれません。
しかし、現場の方々に話を聞いてみると、仕事は分業制で、課内の仕事は皆ができるように作業しているとのこと。誰かが一つの作業だけを続けるのではなく、働く人たちは防具づくりに関わるすべての工程を理解し、携わっています。多くの工程に関わるからこそ、機械ではなくヒトの判断や技術が中心になる。
この仕組みがあるから、工場というよりは職人の集まる「工房」という表現の方がしっくりくる場所であり、機械ではなくヒトが主役の現場だと感じました。
この工場ではオーダーメイドの防具を作っていて、使う人の年齢や立場、用途に合わせて細かく調整できるのが特長です。
例えば指導者用の防具の場合、選手の技を受ける機会が多いことから、衝撃を和らげるために緩衝材を多く入れるなどの工夫が施されていました。また、近くで見ると縫い方や模様が一つひとつ異なり、地域ごとの「トレンド」もあるのだとか。防具にも小さな「おしゃれ」を楽しめる余地があるのです。
「誰が、どんな場面で使うのか」を考えながら作る。そこまで考えるからこそ、機械に任せきりの大量生産では対応できません。
まさに主役は機械ではなく、ヒトでした。
~技術が個人の財産となる職場~
日本剣道具製作所さんの魅力は、ただ作業をこなすのではなく、身に付けた技術が自分自身の財産になっていく点にあります。
実際に現場で働く方からは、
「最初は何もわからなかったし、できることが少なかったけど、数をこなしてできるようになったことが増えていきました」
と、成長を実感している様子。
作業は分業制ですが、防具づくりのすべての工程に携わります。だからこそ、特定の技術だけではなく多くの技術を身に付けることができます。
また、
「1時間かかっていた作業が、気が付いたら30分でできるようになっていた」
「自分が教わる側から、教える側になっていた」
そんな瞬間に、自身の成長とやりがいを強く感じると笑顔で話してくれました。
~未経験からでも成長できる理由~
実は、日本剣道具製作所さんで働いている方の9割は未経験スタートだそうです!
マニュアルが用意されているわけではありませんが、
・先輩の仕事を見て学ぶ
・わからないことはすぐに聞く
・まずはやってみる
という「習うより慣れよ」のスタイルでした。
裁断・縫製・組立・仕上げなど作業は多岐にわたるため、その人の得意分野を見つけやすく、一つひとつの作業は奥深いため、常に目標を持って取り組むことができます。
未経験者でも成長できる環境が整っているからこそ、若い人からベテランまで、長く働く人が多いのだと感じました。
~日本一を支えるわけとは~
株式会社日本剣道具製作所が日本一の生産量と高い評価を維持できている理由は、最新の機械や技術ではありません。
年代物の工業用ミシンを使いこなし、職人一人ひとりが自らの感覚で微調整を重ねていく――。その積み重ねが、オーダーメイドならではの品質につながっているのです。
利用者の細かなニーズに応えるためには、工房で働く職人の技術向上が必要不可欠です。スタッフ一人ひとりの成長が防具の完成度や品質を高めるからこそ、そこで働くヒトを尊重しているのだと感じました。
だからこそ、機械による大量生産ではなく、「一人ひとりに合った防具を作る」という姿勢が高品質につながり、日本一の生産量と満足度の理由だと感じました。
~まとめ~
日本剣道具製作所さんの現場は、ヒトが主役で、技術が育ち、チームで動く工房でした!
未経験からでも成長でき、努力した分だけ自分の力になる。
モノづくりに本気で向き合いたい方、必見です!!
取材にご協力いただいた企業
日本剣道具製作所(西都市下三財)


